平成23年9月

 

9月9日                            
 町長
 夢は必ず実現できる

 子どものときからの夢を諦めないでください。なでしこジャパンのように決して諦めないで挑戦してください。
一宮町では、優秀な人材を採用し、貴重な戦力に育て上げ、活用することが最も効果的なまちづくり戦略だと考えて職員を募集しています。誰よりも町を愛し、ガッツのある若者を待っています。

12月には2013年卒業予定の学生の就職活動が始まります。上記の文章は、学生向けの就職情報誌「マイナビ」から依頼されて投稿した応援メッセージです。
世界的な景気の停滞、史上最高の円高、東日本大震災と窮めて厳しい状況の中で、一宮町内、もしくは一宮町から離れて勉学に励む学生の就職活動を激励するとともに優秀な人材をぜひわが一宮役場に迎えることができればと考えています。
ちなみに今年の一宮町役場への応募者は、上級職19名、初級職6名、保健師が8名でした。今年はどんな若者に会えるか今から楽しみです。

 

9月12日                        
    町長
 パタゴニア サーフ千葉(一宮店)オープン

 6月に一宮町の東浪見海岸に開店した「パタゴニア サーフ千葉」のオープン記念パーティが9月10日に開催され、出席しました。
 登山やサーフィンの用品を製造販売している国際的な企業パタゴニアは、ビジネスは手段であり、野生の自然や生物の保護を会社存立の目的とし、最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑えるというポリシーで企業活動を展開しています。
 そのこだわりは大屋根に設置されたソーラーパネルや節や傷のある木材をあえて使用するなど一宮店の建築の随所に見られます。ぜひ一度見てください。
 パーティには、カリフォルニアの本社から副社長(創業者の息子で世界的なサーフボードのシエイパー)のフレッチャー・シュナイダーや伝説のサーファーと呼ばれるジェリー・ロペスも参加し、国際的な雰囲気でした。
 ハワイノースショアのハレイア、南カリフォルニアのカーデイフ、オーストラリアのトーキー,スペインのサン・セバスチャンと世界有数のビーチで展開しているパタゴニアが、日本の新たな拠点として選んだのが、わが町一宮だというのは大変名誉なことであり、うれしいことです。

 

9月14日                          
 町長
 上総十二社祭り今年も盛大に

 13日 釣ケ崎海岸は、30度を超える暑い日差しのなか、昨年を上回る観客が集まり上総十二社祭りが盛大に開催されました。
 東日本大震災や台風12号による大水害で被災した人々を激励するため、9基の神輿を一斉に総揚げした時には、観客からひときわ大きな歓声が上がりました。

上総十二社祭りが、行われてきた1200年の間には、この地域でも、地震や津波、台風や大雨による水害など何度も災害に襲われたと思います。
そのたびに、私たちの祖先は、決して諦めないで、力をあわせて復旧、復興に立ち上がり今日の一宮町があります。
祭りは人々を元気にします。心を一つにします。勇壮な神輿の練りを見て、人々の心を一つにする場が、この十二社祭りではなかったかと思いました。
神輿でにぎわった釣ケ崎海岸もこれから広場の整備が始まり、年内には完成します。
来年きれいに整備されたこの場所でどんな祭りを見せていただけるか、今から楽しみにしています。


 

9月26日                           
 町長
 一宮町の観光風評被害

 千葉県でも福島原発の風評被害により観光業は大きな打撃を受けました。 しかし、原子力損害賠償紛争審査会が発表した風評被害地域(被害請求対象地域)は、現在茨城県以北となっており、千葉県はふくまれていません。
そこで9月20日、森田知事は、東京電力に対して補償問題について千葉県内の観光事業者と協議の場を設けるよう要望しました。
一宮町でも補償に備えるためゴルフ場、飲食業、海の家、ホテルなど、関連業界を対象に風評被害調査(3月以降の半年分)を実施したところ、予想以上の被害が出ていることが判明しました。
売り上げ前年比26.7パーセントの減 352,604千円の減
客数前年比  18.2パーセントの減 52,250人の減

これらの資料を基に国や県に支援要望と風評被害の補償対象とするよう働きかけて参ります。


 

9月29日
  町長
 新地町で学んだこと

 25日 郡町村会で東日本大震災の被災地、福島県の新地町を視察しました。

庁舎で副町長からお話をお聞きしました。新地町は、面積46.35平方キロ、人口8,172人の小さな町ですが、火力発電所が設置されており、発電所立地交付金が交付されているため、町の財政は豊かで交付税の不交付団体です。
9年前に約20億をかけて建設されたという庁舎は4階建て総ガラス張りの大変立派な庁舎でした。

3月11日まず震度6強の地震に襲われ、全壊6世帯、大規模半壊8世帯、半壊38世帯。次に町を襲った津波は、10メートルを超えるという大規模なもので、町の面積の約5分の1が浸水し、津波による全壊457世帯、大規模半壊33世帯、半壊19世帯,109名が死亡、1名が行方不明という大きな被害を受けています。

副町長のお話によると、防災無線で高台避難を呼び掛けたが、これまで過去に大きな津波を受けた経験がなかったため今回も大丈夫だろうと家にとどまり避難しなかった人、避難したが道路が車で渋滞し津波に飲み込まれてしまった人が犠牲になったそうです。
携帯電話が不通で連絡が取れず、避難所に避難した両親を心配して職場から様子を見に家に帰った息子さんが津波の犠牲になったという不幸な事例もありました。
一度は高台に避難したものの、家に戻って津波に襲われた人もいます。地区住民に避難を呼び掛けていた消防団や区長さんも犠牲になっています。
改めて大きな津波に襲われたときの避難の難しさを認識しました。

半年が過ぎて、震災前のコミュニテイを維持するため,地区ごとにまとまって町内8箇所に約500戸の仮設住宅が建設されています。
新地町の一日も早い復旧復興をお祈りします。


 

9月30日                           
 町長
 中央防災会議最終報告と講演会

 28日 東日本大震災を踏まえた地震・津波対策を検討してきた中央防災会議が政府に最終報告を提出しました。

それによると津波対策は、従来の想定レベルと最大クラスの2段階で考える。避難計画は最大クラス、堤防などは従来レベルの津波を考える。避難は徒歩を原則とする。5分程度で避難できるようなまちづくりを考えるとなっています。
今後、この報告を踏まえて国も県も市町村もそれぞれの防災計画を見直すことになります。

町では、10月2日(日) ホテル一宮シーサイドオーツカで房総沖地震の可能性について専門家による講演会を開催します。講師の宍倉正展博士は、東日本大震災の前から福島県や宮城県の巨大津波の可能性について警告し、今月開催された地震学会では、房総半島沖で政府が想定していない地震が繰り返し発生していた可能性があると発表しています。
房総半島沖で地震が起きる可能性はどのくらいあるのか。どの程度の規模の地震と津波が起きる可能性があるのか。貴重なお話を聞くことができると思います。

私たちは、地震や津波から住民の生命を守る重要な職務を持っています。そのためには、町役場に働く職員ひとりひとりが地震と津波に対する正しい知識を持つ必要があります。
めったにない貴重な機会ですので、ぜひ職員の皆様の参加をお願いします。