町長日記 平成28年10月17日(中国からの視察団、原保育所を訪問)

 中国からの視察団、原保育所を訪問

 本日、中国から27名の保育園・幼稚園関係の方々が一宮町へ原保育所の視察にお越しになりました。

 一行は、朝9時に役場へ来られ、まず保健センター会議室で会合を致しました。私が一宮町と原保育所について簡単に紹介した後、学習院大学・教育学科主任の諏訪哲郎教授が、「日本の幼児教育の制度的概要と課題」について講演をなさいました。諏訪教授は日本・中国・韓国の教育に幅広く通じておられる方で、中国語で発表されました。中国からの視察団の方からは活発に質問が出ました。その中で、「中国では幼児の知的学習を重視するのに対し、日本では遊びを重視する」という対比が諏訪先生から語られたのは、特に面白いことだと思いました。また「小学校との接続問題」「自然の少ない都市環境の中で自然との接触をいかに確保するか」など、日本と中国がよく似た課題を共有していることも確認できて、参加者はそれぞれに得たものが多かったのではないかと思います。

 10時から原保育所へ移動して、見学と交流を致しました。保育所では岡澤所長以下保育所のスタッフが、福祉健康課の職員とともに接待を致しました。園児の皆さんがそれぞれ楽しく活動しているところを、皆さん興味深そうに参観しておられました。

 原保育所は、エントランスから廊下部分が書架になっており、「はらっぱ文庫」と呼ばれて、園児はもちろん、それ以外の方や未入園児の方にも絵本を貸し出しています。ここの蔵書が3千冊あるというお話を岡澤所長がなさると、驚く方がおられました。そして、視察団の皆さんの最も興味を持たれたものは、実は保育園の図書の消毒器の設備でした。これは本を借り出した方々が本を返す時に、あとの人のために消毒しておくというものです。皆さんは、「これを中国に買って帰りたい」とのことで、一所懸命写真をとって、大変心を惹かれている様子でした。

 今回の視察は、私の小学校以来大学までの同級生である井出敬二氏の仲介によるものです。井出敬二氏は、外務省の高官で、元駐中国公使・駐クロアチア大使であった方です。視察団のコーディネーターである姜女士と親しく、わたくしとの長い交友関係を踏まえて、一宮町での保育所視察を企画されました。

 11時過ぎには一行は一宮町を後にして東京へと向かわれました。皆さん役場での会合と原保育所の見学のメニューに大変満足しておられるようでした。私としては、自らも中国語を存分に用いて町長としての任を果たすことができましたので、まずはよかったと感じています。ご協力頂いた皆様、いずれにも心より感謝申し上げたく存じます。中でも、お忙しい中わざわざ一宮までお越しになられてご講演の労を賜った諏訪教授には、特段の感謝を申し上げたく存じます。