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町長日記 10月20日(長生農業フォーラム2017に出席)

 今日は、睦沢町のゆうあい館で開かれた長生農業フォーラム2017に伺いました。これは、長生農業フォーラム実行委員会と長生農業事務所の共催による催しで、農業の現在の取り組みや今後の展望などについての、講演を主とする学習会です。実行委員会は、一宮町の方々が中心におられ、わたくしもそうしたご縁で伺いました。ただ、わたくしは、後半の、事例発表を中心にお邪魔しましたので、前半の水稲作についての講演は伺えなかったのが、残念でした。

 事例発表では、睦沢の寺崎・上市場の交界に展開している、「長生あおば農園株式会社」の社長である晝間忠男さんと、一宮町に展開している「フロンティア・ファーム」の室川典弘さんのお話がありました。

 晝間さんのお話の題名は、「ジャパニーズハーブで周年農業」です。晝間さんは、もともと地元の方ではない、と仰っておられましたが、現在、ハウスでの紫蘇(大葉)の栽培をしている方です。現在73名もの従業員を雇用している(常勤と非常勤合わせた数です)ということで、たいへん地域に対する貢献が大きな企業です。

 紫蘇は周年栽培しているそうで、播種から約3ヶ月で採集開始、8ヶ月で更新、年間23回の定植を行い、一日150kgの定量収穫を確保するという形でまわしているそうです。葉を摘んで、まとめてゴムで縛り、セロハンにはさむという作業ですが、衛生に気をつけ、収穫から出荷まで、一切人間の手が商品に触れない、ということを徹底しており、従業員には手袋の着用を義務付け、圃場内に作業場も併設しているそうです。したがって、他産地のものより衛生的だと、晝間氏は誇っておられました。

 農薬は低減させて、酸性水の葉面散布を行うなど、品質の確保にも努力をしておられるそうです。

 この紫蘇というものは、ロスがほとんど出ないよい作物だというお話です。Aは刺身用で、10枚形のそろったものでセットを作って出荷。Bというのは、形は不ぞろいだが、食べるために差し支えないもの。Cは、栄養を与えるために通常の3倍もの巨大な葉ができてしまうもので、これは加工用だということでした。B・Cいずれも商品になって、売れるので無駄がないのだそうです。

 出荷先は、市場ではなく、契約販売をしているそうです。売り先があるもの、顧客がついたものをまず作って、売れるもの・売りやすいものから考える、という方向で進めているというお話でした。作りたいものを作る、ということは後回しになっているが、作りたいものを作るという考えもいけないわけではない、と仰っておられました。

 リスクとして、病気の発生があります。こういう際は、他県のものを供給してしのぐことで、顧客の承諾をもらっているということでした。

 収穫に30%の従業員、結束に30%の従業員を配置し、正社員は全体の30%だそうです。作業は高齢者でもできるということで、定年は設けず、いつまでも働いてもらっている、とのことでした。

 現在、ハウス14棟(2.3ha)で展開しているが、供給が需要に追いつかないので、9月から1500坪(750坪×2)を増やす工事を行っていて、12月に完成予定だと仰っていました。来年はこれで5千万円の売り上げ増を狙うということです。

 経済的な規模については、売り上げ高や純益、或いは従業員の給料などの具体的なお話は、講演会においてはなかったので、今後詳しく伺ってみたいと思っています。

 なお、このほかに、露地もやっているそうですが、こちらはサツマイモ・ズッキーニなど作っているが、悪戦苦闘だということでした。今後、パクチー(白芷・コリアンダー・香菜)を1200坪展開する予定だと仰っていました。これは播種から10日から20日で採集できるということで、期待しているとのことでした。亦、外国産の多い野菜、オクラ・隠元豆・ニンニクなどを国内産とすれば売れるので、それもめざしてゆきたいとのお話も印象的でした。

 

 一方、室川さんのご発表は、「長生フロンティアファーム始動」というもので、フロンティア・ファームのお仕事についてのものでした。JA長生施設野菜部会では、現在会員130名だということですが、出荷量が減少して、選果料が上がる傾向にあるそうです。これに対して、年間100万ケースを確保しなくては現状を保てないということで、それを目標に、反収増加、規模拡大で確保する戦略として、現在のフロンティア・ファームの挑戦が出てきたものだということです。

 軒高をこれまでよりぐっと高くした新式のハウスで、一宮・原の石井理永蔵氏が、10aあたり30tを実現されたということがあり、それに刺激されて、あとに続こうということで一宮3人、白子1人が石井さんと一緒に5人で始められたということです。

 現在、フロンティア・ファームでは、上記5事業者で16107㎡(4881坪)のハウスがあるのですが、室川さんはその中で3976㎡(1205坪)のハウスを経営しているそうです。ロックウールという、鉱物由来のマットでの養液栽培ですが、越冬長期栽培ということで、8月中旬に定植して10月下旬から7月中旬まで収穫できるそうです。昨年は、10aあたり34t取れたということで、当面の目標にしていた、石井氏の以前の実績を上回ったということです。しかし、目標は10aあたり40tだそうで、まだまだだそうです。これは、室川さんは、水の管理が不十分だったと思う、と仰っていました。水を教科書どおりに与えて、多すぎたらしいというお話しです。木や葉っぱを作った感じです、と仰っていました。また尻腐れ(トマトの実の先が腐ること)が生じたとのことでした。次回は高濃度CO2でやり、水やりも調節してもっとうまくやりたい、とのお話です。

 また、特筆すべきこととして、ファームの皆さんと、長生農業事務所の上席普及員である武田さんと、週一回の生育会議を開いていること、相互巡回を行い、コンサルティングを行っていること、文献の読み合わせなども行っていることなどをご披露頂きました。これは、皆さんで武田塾という名前をつけていて、どなたにも開かれています、どうぞおこしください、というお話でした。 

  今回の事例研究の二件のお話は、どちらも、地域の農業の行く末を案じ、その増進をはかりたいと考えているわれわれにとって、大いに勇気付けられるご発表でした。是非、こうした方々のあとに続いて、新たな地平を切り開く方が現れて頂きたいと思う次第です。