町長日記2018年3月31日(玉前神社花見の宴を見学)

    今日は、午後、玉前神社で花見の宴がありました。雅楽と、子供さん方による舞の披露があり、桜の落花のもと、みやびで優美な伝統文化の精華をひとときの間楽しませて頂きました。

 豊栄の舞、浦安の舞、いずれの舞も立派でしたが、迦陵頻の舞楽が中でも素敵でした。迦陵頻とは、迦陵頻伽といわれる、『阿弥陀経』に出てくる鳥の名前を踏まえた演目名です。『阿弥陀経』は、西方極楽浄土について説いた仏教経典で、天台宗の葬儀でよく読み上げられます。迦陵頻伽は、半身は人間、半身は鳥で、極楽におり、大変うつくしい声で鳴くとされています。

   舞い手の皆さんは緋色の衣装に、鳥の翼や尾をつけて、目が覚めるようでした。雅楽会の会員にアメリカ人の方がいらっしゃるのですが、その方の二人のお嬢さんも神妙な面持ちで、二人の日本人の少年たちと一緒に踊っていました。迦陵頻は、林邑の楽に属するものであるということです。林邑とは、唐代にベトナム南部にあった、チャンパというインド文化の影響下にあった国の名前です。そもそもこうした国際的な文脈のもとにある雅楽にふさわしい、グローバルな色彩を帯びた舞台となりました。そのほかに、器楽曲の万歳楽と長慶子の演奏もありました。

 天気はよかったのですが、ちょっと風が冷たく、それだけが心残りでした。帰りに城山公園を通ってゆきましたが、大手門からの桜の並木が満開ですばらしい光景でした。