町長日記 5月8日(国民健康保険 特別会計の今後について 「一宮リアライズ」馬場正尊氏と会談)

 今日もよく晴れていました。このところ、晴れ続きで、乾燥気味です。こういうときにムカデが家に入ってきやすいので、妻が殺虫剤を家の周りにまいたといっていました。

 

【国民健康保険 特別会計の今後について】

 今日は午前中、国民健康保険の特別会計に関して担当課のスタッフと話をしました。一宮町は、長生郡市の中では、国保特別会計の財政調整基金が少ない方に入ります。現在の国保税収入の水準だと、ごく近未来に繰越金も基金も底を尽きる可能性があり、そうなると県から借り入れるか、一般会計から法定外繰り入れをするかの道をとらざるをえなくなるとのことでした。

平成30年度から国保税については、県全体で一元化するという案が出されています。しかし、実態は単純なものではなく、税率は当初激変緩和措置をした市町村ごとに標準額が決められ、その徴収は市町村の義務となるそうです。このゆくえを見守って今後どういう方策をとるか、わたくしどもは頭をひねらなくてはなりません。かなり難しい選択になるかもしれません。

しかし、国保という制度は、個人的には、どうにも納得の行かない制度枠組みです。自営業者の方は、就労年齢層の方も国保の加入者が多いのですが、それ以外は、60歳で定年を迎えて退職した人たちとその家族が、75歳の後期高齢者に移管されるまで加入することが中心です。そうした方々はそもそも定年後で無職ですから、当然ながら現在の所得水準が低く、保険税を払うのが負担になります。しかも、この年齢になれば、就労年齢のときに比べて病気になりやすいわけですから、医療費がかかりやすいわけです。従って、国保会計というのは、入るのは少なくなりがち、出るのは多くなりがちな構造にあるのです。私の感触でいえば、勤労者が加入している社会保険と一体化して、すべての国民の医療保険を一元化した方がよいと思います。それが国保特別会計の構造的苦難から自治体が脱出する一番の道のように感じます。勿論、私が知らないような問題も色々と伏在しているでしょうから、その方法のみが確実な方途かどうかは、現在のところ不確かです。しかし、目指すべき方向として考えてゆくべき課題だと思っています。

 

【「一宮リアライズ」馬場正尊氏と会談】

午後は、「すずみね」へ行って、鈴木さん・峰島さんの家のリノベーションの出来上がりを見学したあと、町づくり会社「一宮リアライズ」の馬場正尊氏から、市街地再活性化・サーフィンセンター・お試し住宅についての調査結果に基づく計画(案)の説明を伺いました。

サーフィンセンターは、上級者向けの釣ヶ崎につくるのではなく、ビギナーから上級者まで幅広く人が訪れる一宮海岸の海岸広場に、サーフィンをコンセプトに掲げた「道の駅」を作ることで対応したらどうか、という提案でした。私も、今後の戦略のあるべき選択として、釣ヶ崎付近が駄目であった場合は、一宮海岸広場を中心に、道の駅設営を考えてみたいと思っておりましたので、興味深いご提案として伺いました。

一方お試し住宅については、海岸の砂丘の上の水道タンク跡地をつかうという案で、地方創生に応募していたものの、内閣府から、最終的には造成費用は出さない、という回答が出されました。そこで私は、ここの開発は白紙になったと考えていました。しかし、馬場氏としては、リアライズとして民間資金を調達して事業展開する案もある、とのことでした。特に、その際、全域を住宅にするのではなくて、公園のようにしつらえて、できるだけ現存の樹木などを残し、その中にお試し住宅が立つようにしてはどうか、とのことでした。

私は、地方創生資金による敷地造成がだめになったあと、かつて16区の方から「この場所を避難山に使いたい」という要望を伺ったことを思い出し、そのプランの実現に心が傾いていました。しかし避難山は、平時は公園として使うわけですから、今回の馬場氏のプランと接合することも可能です。馬場氏は、このエリアに町道をつけてほしい、ともいっておられましたが、避難所を設営するなら、当然山に登る町道を作る必要があるわけで、これもうまくフィットするかもしれないとの感想をもちました。いずれにせよ、一宮リアライズの皆さまが、国の資金供給が途絶えたあとにも、一宮の地域おこしのために、事業を展開しようと考えておられることがよくわかりました。