町長日記 7月6日(JR東日本の方々と災害時の対策についての意見交換と メディアの方たちとの意見交換会)

    JR東日本の「茂原駅」と「上総一ノ宮駅」勤務の方々が見えて、災害時の対応についての意見交換を行いました。JRでは、基本的に避難指示が出る自治体があれば、そこを通る路線を運行停止にするそうです。昨年の11月22日の津波注意報発令時の対応は、まさしくそういうものでした。当日は、気象庁から1メートルの津波注意報が当町に発令されたので、一宮町として避難指示を出しました。(なお、昨年の町長日記にも記したとおり、注意報でも、県のガイドラインはためらうことなく避難指示を出すように定めています。)この避難指示発令に伴って、茂原駅以南のJR外房線も運行停止になりました。

 ただ、問題がありました。私どもの考えでは、海沿いが危険だということで避難指示を出しました。駅や鉄橋、線路は危険だとは思っていませんでした。しかし、避難指示は、全町的に出たものなので、JRも運行停止にせざるをえなかったのです。

    JR側の話では、「もし町の各地区で分けて避難指示を出してくれれば、駅と鉄橋、線路周辺に関連しない場合、運行停止にしないでも済むので、そうしたことはできないか」とのことでした。総務課防災担当のスタッフは、現在そうしたことを可能にするため、津波避難計画を作成中だと答えました。地区を限った避難指示が出せるようになると、たとえば1メートルの津波注意報の場合、危険な海沿いのみ避難指示を出して、安全なところは出さないということになり、JRへの影響は最小限にとどめられることになります。

 JRの資料は、上総一ノ宮駅に勤務する若いお二人が作成したものだということでしたが、よく考えられており、素晴らしい出来でした。また、話し合いの中で共通の課題として浮かび上がったのは、行政と、JRと、情報共有において不十分なところがあり、お互いにお互いのことがわからず、判断や行動に遅れを生じさせかねない状態にあった、ということです。そこで、今後は緊密に情報を交換し、連携の実を挙げることを確認しました。

    この会合は、色々と考えさせられることの多い会合でした。

    夕方、メディアの皆様と意見交換会を開きました。朝日・毎日・千葉日報・東京の各新聞社とNHKの記者の方がみえました。読売新聞の担当の方は所用で欠席でした。今、国政方面では、安倍首相とメディア首脳の頻繁な会食が問題になっています。確かに、行政の中枢とメディアがあまりに蜜月では良くないでしょう。メディアは幅広い社会の味方でなくてはなりませんから。ただ一方では、メディアの方々と話をして、首長がどういう考えをもっているかを、正確に理解してもらうというのも、誤解を生まないためには重要なことのように思います。今回の意見交換会では、メディアの皆様は、行政にとって、潜在的な批判者としてある存在だということを前提にした上で、しかしともに地域を盛り上げてゆく役目を分けあうものとして、緊張感ある連帯感を確認することに成功したのではないかと思います。今後もオリンピックに向けて協働する局面が増えると思いますので、今回の会合は意義があったと思います。