高原家住宅店蔵

高原家住宅店蔵(たかはらけじゅうたくみせぐら)

平成29年(2017)6月28日登録

一宮町一宮 個人所有

 

 高原家は玉前神社の四社家(ほかの社家は風袋家、田中家、宮本家。五社家とするものもある)の一つと伝えられ、屋号は「にんべん」でした。現当主の祖父の代に食用油の販売や鶏卵を東京へ卸すなどの商売を行っていたといいます。戦時中に一度店を閉めましたが、戦後食用油の販売を現在の店蔵で再開、現当主の代にはペンキ販売を行っていました。現在店は閉められましたが、貸し出され、かき氷店として利用されています。

 店蔵は玉前神社の参道沿いに建ち、土蔵造2階建、切妻造平入です。建築年代は丸くぎの使用と類例との比較により、明治後期と推測されます。現在、壁は外側を大壁白漆喰塗り、内部を真壁として、軒は出桁造で出桁は塗り込められていますが、古写真などから以前は外壁が黒漆喰塗だったことがわかります。1階は1室で、揚戸痕跡が残ります。2階の三連窓や重厚な持送りなどで正面を飾り、かつての門前の景観を残しています。

             ▲外観①

 

              ▲外観②

         ▲大正3年(1914)撮影の古写真