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一宮ゆかりの人 北沢楽天

 

一宮ゆかりの人 北沢楽天

宮原地区の南宮神社に奉納されている北沢楽天の大絵馬が,町の文化財に指定されたことを記念して,平成16年2月にその作品展が公民館で催されるという。

この絵馬が描かれた背景には一宮川の大氾濫による宮原地区の被災があります。楽天は明治末頃から一宮川沿いの宮原地区の別荘に滞在していましたが,大正5年7月30日に一宮川の氾濫による大洪水に見舞われました。別荘の西側の堤防が30メートルにわたって決壊し,2階に非難した人々は消防団員の必死の活躍で救助されたといいます。

楽天は,この洪水で流された門扉4枚のうち唯一残ったものに『神威顕現』と題して,水魔克服の鎮守の神を描いて南宮神社に奉納しました。日本画の素養もある楽天がダイナミックに描いた絵と文字は,当時の色彩が鮮やかに残っており,かつて一宮川で大洪水が起きたことの記録としても貴重なものです。

楽天は,大正元年に自分の経営する楽天社から『一宮案内記』を刊行するなど一宮とのかかわりは深いものです。なお,楽天の描いたものとしては,十二支屏風・掛軸が吉野家商店方に,また,丸島政吉方にも掛軸が保存されています。このほか近隣の人々にも多くの絵を描き与えていたようですが,現存しているものがほとんどないのは残念です。

楽天(本名北沢保次,1876~1957)は,大宮市(現さいたま市)の由緒ある家に生まれてきた日本初の職業漫画家です。洋画・日本画の基礎を学んだ後,横浜で西洋漫画の技法を習得しました。当時『ポンチ絵・戯絵(ざれえ)』などと呼ばれて評価の低かった風刺画の地位の向上につとめ『漫画』という語を使い初め日本の近代漫画の基礎を築きました。

その作品の多くは『漫画会館』(さいたま市大宮)に収蔵されています。

 

上総一宮郷土史研究会 福岡和子