町長日記 平成28年10月19日(草刈りについて)

  草刈りについて

 現在、町が直面している問題の一つに、町内の草刈の問題があります。年来持ち越されている問題ですが、ここのところ深刻度を増しています。

 ご存知のように町内には草刈をしなければならない箇所が数多くあります。しかし、町には十分な財源が無く、すべてを民間の事業者に発注することができません。また、町の職員の人手も足りず、職員で草刈をしようにも手が回りません。さらに、これまでボランティアで草刈をして下さっていた各区の方々が、高齢化によって、リタイアされる動きが顕著になって来ています。

 一宮川の両岸や一宮聖苑・宮の森霊園に向かう山道は、夏の間の草木の繁茂が特に激しく、これまでは各区の方々が草刈をしてくださっていました。しかし、いくつかの区で、高齢化と「あまりに大変な仕事だから」という理由で、「今年を限りに辞退する」という申し出が町にありました。今後、快適な状況を保つためには今以上に町からの資金が必要になるのではないかと恐れています。

 休耕地に生い茂った草については、本来は所有者の方に刈っていただくべきところですが、これも高齢化の問題もあり、全ての方にキレイに管理していただくことが難しい状況です。休耕地の草むらは、イノシシの住処になるとも言われています。イノシシの問題も、今の町にとって非常に頭の痛い問題ですので、やはり草刈りが必要不可欠です。勿論、農地として再利用できるのが最善ですので、そちらの方の道も探りたいと考えていますが、短期間で問題を解決するのは難しいと思います。

 現在日本全体で人口減少が始まり、特に地方ではそれが激しいのは周知の事柄です。一部自治体では人数が減りすぎて、これまで行政が提供していた公共サービスを、各地区の住民で自ら担ってもらわなくてはならない状態になっているといいます。

 一宮町の全体状況はそこまで追い詰められたものではありません。しかし、人口の減少、財政力の縮小といった負のスパイラルがわが町をも飲み込んだ場合、同じことが起こってくることが予想されます。我が町ではもちろん、そうならないように努力します。ただ、これからも快適な住環境を維持してゆくために、草刈りと同様にますます公共的資金が必要になってゆくとすれば、他にもやらなくてはならない事業がたくさんあるのですから、その間で資金の配分の仕方を十分考えなくてはならないことは明らかです。となれば、草刈問題解決のためになんらかの方法を講じなければならないことも明白です。役場がすべて発注するのではなく、住民全員でやるのでもない、「第三の道」を、皆様とご一緒に考えてゆきたいと思います。

 昨日(10月18日)、宮原区長さんとお目にかかり、草刈の話題が出たことから、改めて問題を自覚しなおしましたので、ここに記させて頂きました。