町長日記 11月8日(九十九人委員会に出席と広域市町村圏組合職員採用試験)

   今日は、一宮町九十九人委員会の第一回全体会を開きました。これは、他の自治体に見られる百人委員会に範をとったものですが、藤井副議長の発案で、地域に即した九十九人委員会と名づけたものです。

 原理としては、住民協働の理念に支えられたものです。これまでのように、行政がすべてお膳立てして、住民はそれを受け取るという形でなくて、より積極的に住民が行政に関与する仕組みとして作りました。肝心なところは、この委員会で出された結論・方針は、行政としてはなるべく尊重し、予算をつけて事業化できるように考えて、議会に諮ってゆく、というところにあります。勿論、財政上の限界その他、色々な制約条件がありますから、すべてがそのままgoということにはならないと思いますが、少なくともその考え方・方向性は最大限尊重されるということはお約束したいと思う次第です。

 部会が二つ設けられています。観光部会とオリンピック部会です。観光というのを部会に据えたのは、一宮町が今後、更に伸ばしてゆくべき産業として、観光があるとわたくしが考えるからです。これは選挙のときから変わらぬわたくしの発想です。また、オリンピック部会というのは、当然のことながら、2020年のオリンピックを迎えて、いかにおもてなしを行ってゆくか、それをわたくしどもと平行して考えて頂きたい、ということなのです。もちろん、このふたつの部会は相互に関連するので、時には合同部会を開いて頂いてもよろしいと思います。

 基本的には、委員の皆さまで議事を進めて頂ければと思っています。行政の関与はお膳立てのお手伝いをするレベルに留めて、自主的な運営をお願いしたいと思っています。わたくしからは、仲良く、忍耐強くお願いします、意見が合わないからといってスプリットしてしまわないようにお願いします、ということを申し上げました。

 委員の任期は一応平成31年の3月までということで、来年の夏までに、プランを報告書の形で出して頂けるとありがたいです、とお願いしました。委員長には、オリンピック部会の折笠さん、副委員長には観光部会の可世木さんが互選によって選ばれました。今後、わたくしも許されれば会合でオブザーバーとしてご一緒したいという気持ちがあります。皆さまの活気ある議論に期待したいところです。

 

 午後は、広域市町村圏組合で職員採用の面接がありました。一般職・土木職・消防職とありましたが、全体として受験生の方々から、運動部での部活動の話が多く聞かれました。野球部が意外に多くて、昭和の御世を思い出しました。いずれにせよ、「これまで頑張ったことは何ですか」、という質問に、ほぼ異口同音に「部活動です」、と答える日本の状況は、国際的な視野からみたとき、実はきわめて不可思議です。わたくしの知る限りでは、アメリカでも、中国でも、同じ質問を受けたら、学業と社会活動がほぼすべてを占めると思います。今回の皆さんの中では、ボランティア活動に対する言及は若干ありましたが、全体としてはとにかく部活動が自他共に関心の中心に座っているようです。わたくしは、個人的には、中学・高校のとき部活動にも力を入れましたが、それが自分のセールスポイントであるという気持ちは皆無です。部活動での同調努力は、集団生活の有り方、上意下達の構造など、会社や組織に都合のよい心性の涵養には、役立つのでしょうが、自立心とか批判精神といった、社会人として必要な精神の涵養には一向役立たないようにも思います。もっと、集団での部活動を相対化して、それ以外の部分にも自律的に自分を投入してゆくようにすることこそ、現在の日本が根本的に封建的遺制から脱却してゆくために必要なことだと思うのです。部活動において、集団で行動するときの原理を学び、身につけると同時に、自己規律性や批判精神といった自立した人間の精神も、同時に養ってゆくことが必要なのです。