町長日記 4月25日(「特定用途制限地域指定のための委員会」・「観光協会総会」出席)

今日は大変天気がよく、田植えを迎えて田んぼに水が漫々と湛えられ、気持ちの良い日でした。お昼近くに、役場の屋上にあがってみたところ、素晴らしい景色が広がっていました。海の青い色がとても目に沁みました。

 

【特定用途制限地域指定のための委員会】

朝10時から特定用途制限地域指定についての4回目の会議が開かれました。色々な議論が出されて、特定用途制限の素案が大分固まってきました。これからパブリックコメントに向けて進む予定です。

会議の中で、興味深い話題がありました。「モーテル」というものは、日本ではいわゆる「ラブホテル」的な印象で受け取られがちだが、外国では「自動車で訪れて宿泊できるホテル」といった意味合いではないのか、という話になりました。確かに、私が2010年にアメリカ・テネシー州のメンフィスに行ったとき、キング牧師が暗殺された宿を訪問しました。それは「motel」でしたが、特に連れ込み旅館的な雰囲気はありませんでした。ちなみに、ウィキペディアには、「幹線道路沿いにある、自動車旅行者のための簡素なホテル。アメリカ合衆国では日本のビジネスホテルのような存在である」とあります。

私は、なぜ日本では「ラブホテル」的な使い方になったのか、その経緯はわかりませんが(上記ウィキペディアには一定の記述があります)、確かに外来語の使い方などについて、内外で相当の違いがあることはよくある現象かもしれません。たとえば、最近はやりの「インバウンド」という言葉、日本ではもっぱら「外国から来る観光客」という意味で使っています。しかし、私がアメリカのボストンにいたときには、交通機関、たとえば地下鉄で市街地中心部へ向かうものを「inbound」、郊外に向かうものを「outbound」といっており、外国人観光客に関する使い方は一回も聞いたことがありませんでした。辞書で調べてみると、日本の用法も、決して誤りではありませんが、主観的には、少なくとも私が生活していた時に、ボストン地区で頻用されていた用法ではないと感じます。

 日本での「インバウンド」については、経済産業省が意識的に使い始めたようで、それが瞬く間に広がったもののようです。ただ、残念ながら、「inbound」「outbound」というと、「のぼり」「くだり」だということが染み付いている私には、最近の日本での使い方は、いまひとつピンと来ないのが正直なところです。

 

 

【観光協会総会】

 午後は観光協会の総会に出席しました。議会の形式で進む、大変フォーマルな総会で、観光協会の歴史の長さや、町において重んじられてきた歴史的背景を感じました。森田前会長の前までは、議会の議員の方が会長をつとめることが恒例だったそうです。よその町の情況はわかりませんが、観光協会の位置づけが大変重いものであったということは、過去にも一宮町にとって、「観光」がかなりの重みをもった産業だったことを示しているともいえましょう。

 戦後の一宮町経済の牽引車は、ハウスによる施設園芸のトマトを中心とした、農業でした。一時は茂原の飲み屋を支えているのは、一宮のトマト農家だ、とまでいわれたそうです。現在、農業は高齢化が進み、かつてのような圧倒的な勢いはなくなってしまいました。それに続くこれからの一宮町の産業としては、観光がこれまで以上に重要になってくると感じます。特に、各種イベントの実施に、いかに地域の事業者の皆さんを絡めてゆくかということが、何より大事だと私は考えます。これからの観光協会の役割はますます大きくなると思います。行政もそれに呼応し、また時にはリードして、観光を軸とする一宮町経済の発展を確保してゆかなければなりません。必要なのは、企画力と実行力だと思います。