町長日記2018年9月5日(地方公共団体金融機構設立10周年記念シンポジウム参加)

15:30-18:00 地方公共団体金融機構設立10周年記念シンポジウム

 

 今日は、午後東京で開かれたシンポジウムに出席しましたこれからの少子高齢化社会にどういうことがおこるか、またそれにどう対処するか、といったことがテーマでした。

 慶応大学の清家篤氏は、団塊ジュニアは、生涯の平均賃金水準が低く、2040年にこの世代がすべて引退して65歳以上の高齢者になると、高齢者は3900万人でピークを迎えるが、高齢者自身に余裕がなく、支える下の団塊第3世代もいないので、社会、特に自治体は医療給付・介護給付の増大によって困難に直面する、といわれました。なるほど、と思わされる2040年問題です。

 いくつかの対処法を述べておられましたが、その中に、AIの導入によって自治体の職員を半分くらいに減らすのはどうか、という案がありました。一見、可能性がありそうですが、正直いって、AIはまだそこまでの安定性をもってわたくしどもの前に登場していません。今後、20年ほどの間に、広範な実用化のめどは立つかもしれませんが、まだ机上の空論を出ません。過剰な期待は禁物でしょう。

 圏域構想や、県と市町村の役割分担見直しというのは、可能性がありそうですが、地域の実態と心情に根ざしたものでなくてはなりません。平成の大合併のような、上からの押し付けは受け入れるわけにはゆきません。

 実のところ、なかなか簡単な解決法は浮かばないのが正直なところです。

   さて、その後、岡山県の真庭市長、北海道の乙部町長のお話などがあり、興味深いものでした。真庭は中山間部の町、乙部は海辺の町で、それぞれ林業、漁業が基幹産業であるということです。どちらも人口減にさらされながら、その持ち味を生かした町おこしの施策を行って成果を上げつつあるところです。そして、特に印象深かったのは、両首長が、最後に少子高齢化の波の中で、2040年問題などどう考えますか、という質問に、われわれのところは、高齢者もみな元気ではたらいている。現在でもすでに高齢化が大いに進んでいるが、医療費・介護費での負担はそれほど増えていない。2040年に苦しむのは、実はわれわれではなくて、働かない高齢者が集中する東京ではないですか、と仰ったことです

 これは目からうろこでありました。田舎に従来から住んでいる高齢者は、働いて、元気な人が多い、というのは、印象としてはわかりますが、統計的に医療費・介護費の増加がそれほどでもないといわれると、あっ、と息をのみます。では、わたくしども一宮町はどうでしょう?最後に、大変大きな課題を頂いたシンポジウムでありました。