三夜様

 

三夜様

帰命頂礼(きみょうちょうらい) たいと五(ご)のコン(注1)

コンは祓えとお堂が建つ

ナァム二十夜三夜さま(注2)

二十夜三夜トエ

おあたごがだい

大工(だいく)なされて

お堂を建てナァム

二十夜三夜さま

三ヵ月さまがナェ

かやをあげお十(じゅう)

お十夜八夜が

やねをひくナァム

二十夜三夜さま

桂男(かつらおとこ注3)がェ梁をとる

寅・卯が押し締め

梁を締めナァム

二十夜三夜さま

成就なされて

わたましでとく

篤信成仏(とくしんじょうぶつ注4)

三夜様ナァム

二十夜三夜さま

ナァム二十夜三夜さま

ナァム二十夜三夜さま

ナム二十夜三夜俗諦勢至菩薩(ぞくたいせいしぼさつ)

ナム二十夜三夜俗諦勢至菩薩

ナム二十夜三夜俗諦勢至菩薩

 

○この唱え文は江戸期からの口承で出典不詳である。

○勢至菩薩の石造は東福寺の南の方にある山の上に東向きに建てられている。

○勢至菩薩は阿弥陀如来に脇侍する菩薩。智慧(ちえ)の光をもってあまねく一切を照らし,衆生の迷いを除き,無上力を得させるという。宝冠中に宝瓶を載せる(広辞苑)。

注1 五の寝か。根は漢訳語で機能・能力などの意。眼耳鼻舌身(げんにびぜつしん)を語根という。
注2 陰暦二三日の夜。この夜,月待ちすれば願い事がかなうという信仰があった。二十三夜待。
注3 (1)月の中に住むという仙人。(2)美男子
注4 (1)転居 (2)神輿の渡御 (3)新築落成の祝

○1区は元,職人が多く,妻女が三夜講を組んで毎月順に宿をして仏の掛軸をかけ,上記の文を唱え礼拝していた。戦後,復活して,今も毎月二三夜にはお参りして交流を重ねているグループがある。

郷土史研究会  長谷川英美