町長日記2020年9月16日(9月定例議会本会議と日本インバウンド連合会の月例セミナー及び懇談会に出席)

   今日は、9月定例議会が開催されました。一般質問では、コロナ禍で見通しのきかない中での、防災を中心に、各方面への行政の努力に対し、さらに先へ進めるように、との激励・要望を頂くことが多くありました。ますます奮闘努力をして、住民の皆様の安全安心の確保に努めてゆきたく存じます。
 夕方から夜にかけて、日本インバウンド連合会の月例のセミナー及び懇談会がありました。中村理事長にお誘いを頂き、参加させて頂きました。ズームで行われるネット会議でしたが、4時間になんなんとする長丁場の会合でした。
 現在、コロナで国境を超えた往来はほぼできなくなっていますが、その中で、インターネットを基盤にしたICT技術の運用により、リアルな旅行の欠如を補う、さまざまな新しい試みが生まれていることを教えて頂きました。
 たとえば、オンラインツアーというものを企画して、ツアーの実施の前に、地元の魅力的産品を集めて参加者のもとに送っておき、ツアーの時に参加者はその品を手に取り、味わいながらツアーを楽しむ、という形があることを伺いました。これなど、一宮でも、どなたかが直ちに企画できるものであると思いました。ライブカメラはズームに直接つなげるのか、わたくしにはわかりませんが、ライブで映像・音声を共有しつつ、ナビゲーターと参加者とのやりとりにズームが使えれば、リアルタイムで相互方向的にやりとりができるわけで、参加者からの質問に、現地の方やナビゲーターがお答えすることもできます。勿論、荒天のときもあるでしょうから、録画でのツアープランも作っておく必要があるでしょう。なお、今回紹介して頂いた事例ではツアー参加費用はおひとり9000円ということで、さまざまな食品が参加者の手元に届き、大好評であったというお話しでした。
 そして、併せてE-コマース(電子商取引)ということで、手元に届いた物品を中心に、物販もオンラインで行うのだそうです。これも結構売れるようでした。
 しかも、これは国内でしかできないのではないかと思いましたが、実は、しっかりと顧客をつかむ回路さえ確立できれば、香港などは輸入が容易なので、生鮮食料品を含めて物品を速やかに送り届けることができるそうで、海外展開の余地もあるということを教えて頂きました。
 こうしたオンラインツアーや、オンライン物販は、コロナで現実の旅行ができないからこそ、盛り上がっているものといえるようですが、現実の旅行が再開できたとしても、一定のニーズは持続するのではないかと思います。キーポイントは、的確に関心のある層にアプローチできるか、と、ツアーと物品のクオリティを高く維持できるか、によると思います。

 また、宿泊業界の協力を得て、宿泊客に、特典つきで町の観光振興組織のメンバーとなってもらい、その方々にさまざまなプロモーションをかけて継続的に来訪してもらえることを促すとともに、さまざまな戦略構築の時にも、モニターとして意向調査をお願いする母体となって頂くなど、有効にその方々との回路を使って行くという戦略も教えて頂きました。
 参加者の方々はいずれも意気軒昂で、コロナ禍で、業務的には打撃を受けつつも、これまでとは違ったビジネス展開、特にICTを全面的に使った新たなビジネス様態の開発に、大いにチャンスを見出し、その可能性を積極的に追求してゆこうという意欲に満ちた方々ばかりでした。
 行政の立場としては、これはよいな、と思っても、直ちに自ら乗り出すことが難しいことが多いので、悶々とするところがありますが、できるところを見出しながら、少しでもコロナ時代に一宮町が忘れられない回路の確立に努めてゆきたいと思います。