町長日記2020年9月24日(町村長の定例会議に出席)

   今日は、午前中に茂原で町村長会議が開かれました。その中で、東金にある東千葉メディカルセンターの設立経緯と、現況について改めて整理した話を伺いました。

   東千葉メディカルセンターは、当初山武郡市の中にある4公立病院をどうするか、という中で、統合拠点案として出てきたものです。しかし、色々な経緯により、山武市・大網白里市が離脱し、東金市と九十九里町だけで、県からの支援も受けつつ運営する形で発足した病院です。現在、脳や心臓の外科手術など、三次救急に対応する病院として機能を発揮しています。

 いま、長生郡市には、高度な医療サービスが提供できる、三次救急の拠点がありません。県が、長生郡市と隣接する市原市の鶴舞にある循環器センターの今後について、一度は縮小方向を示したこともある中で、三次救急の拠点として整備された東千葉メディカルには、実際のところ、一定程度依存せざるをえない状況です。

 現在、東千葉メディカルについて、その財政的困難が語られており、長生郡市も対応を求められるなかで、改めての状況確認を行うための今日のレクチャーでした。しかし、長生郡市は、設立当初から、構想の担い手としての役割が想定されていなかったことから、この問題には制度的にも本格的関与が難しい面があります。また、山武・長生・夷隅の医療圏の中での三次救急の拠点と考えた場合、東金は北に偏りすぎており、夷隅郡市は、東千葉メディカルに三次救急搬送の拠点を設定することは物理的に無理があります。そもそも地元山武郡市内部での意思統一が図られていない段階では、外部の関与も躊躇せざるをえません。こうしてみると、山武・長生・夷隅の基礎自治体が、全員集合の形で支えるスタイルも、今からでは編成が難しいようです。

 そもそも、わたくしが議論の全体を通じて感じたのは、多くの基礎自治体で支えるシステム構築の難しさもさることながら、高水準の先端医療サービスを維持してゆくとなると、基礎自治体による財政支出だけでは、運営に困難をきたすことが予想されるのではないか、ということでした。高度医療の拠点は、医療機械をはじめとするハード関係、すぐれた技量と見識を有するスタッフというソフト関係、どちらも相当に巨額の資金が継続的に必要になります。となると、やはり、県や国の全面的関与とサポートがなくては、今後はレベルの維持はおぼつかないのではないか、というのがわたくしの印象でした。

 色々な要素が錯綜する問題ではありますが、病院の維持向上が絶対の要求水準です。それをいかに確保してゆくか、一定の妥当な結論が出るまで、ねばり強く議論してゆく必要があることを痛感したひとときでした。