町長日記2020年10月11日(九十九里トライアスロンと安芸高田市長来訪)

   今日は、九十九里トライアスロンが開かれました。コロナ禍の最中ということで、地域住民との接点をなるべく減らし、感染防止を徹底して開催するということでした。通常一般道路上で行うランの競技を、自転車と同じく九十九里有料道路の上で行い、観客もお迎えしない形での開催となりました。

 それに加えて、台風14号の接近があり、万が一の事態に備えて一宮川でのスイムも中止となりました。そういうことで、例年に比すると大分変則的な形になりました。

   しかし、驚いたのは、会場に行ってみると、参加者の方々が大勢見えておられて、全くコロナの恐怖など感じておられないようにお元気なことでした。体を日頃から鍛えている自信の表れなのか、老若男女を問わず、眩しい笑顔があふれていました。

   この大会は、屋外で行われるもので、感染防止の手立てもなされていましたが、こうしたイベントが、感染拡大にならずに行われることは、来年夏の、一宮町でのオリンピックサーフィン競技開催の成否につながってくるのではないかと思います。夕方、競技終了後に帰還した職員の話しでは、すべてのメニューが無事に終了した、とのことで、安心した次第です。

    また、このトライアスロンにご参加になっておられた、とのことで、広島県安芸高田市の石丸市長さんが一宮町役場を表敬訪問されました。石丸市長は38歳、先の8月の市長選で勝利を収め、就任されたばかりのフレッシュな市長さんです。

   安芸高田市は、広島市の北部、島根県と接して中国山地に展開する山里の市です。ここでは、前の市長さんが、国会議員の河井克行氏から違法な現金を渡されていた、ということで辞任され、市長選が行われました。石丸さんは、市内ご出身で、メガバンクにおいて国際的な舞台で活躍中でおられたのですが、ふるさとの窮状を看過することができず、急遽出馬を決意されたものです。その熱い心が市民に届き、ご当選されました。

   実は、九十九里トライアスロンには、昨年も参加されたのだそうです。その時の印象がとてもよく、市長になられた今年も、おいでになって頂けた、ということでした。わたくしからは、わたくしどもの地域を気に入って頂き、まことに光栄です、と申し上げました。

   市長さんとは、安芸高田と一宮、両自治体の状況を紹介しあいながら、じっくりお話しさせて頂きました。ともに同じく大都市ならぬ田舎の町をいかに盛り上げてゆくか、ということで、かかえる課題の共通性を強く感じたところです。

   その中で、市長さんが、現在安芸高田市では、市民のみなさんの間に、同じ市の市民としてともに問題を担う共同意識を確立するように努力しています、と仰っておられたことが印象的でした。

   これは、平成の大合併で複数の市町が合併してできた広域自治体ではどこでもいわれる問題です。合併後10年程度では、なかなか統一された広域自治体のアイデンティティが生まれてくるのは難しいのだそうです。安芸高田市も、平成の大合併で6町が合併した市だそうですから、統合された市としての意識が市民の間に十分醸成されるには、どうしても時間がかからざるをえないのでしょう。

   思えば、一宮町も、1953年に東浪見村と合併しています。50年以上たった現在でも、東浪見の方には、東浪見魂とでもいうべき誇りを強く持っているかたもおられます。しかし、全体としては、みんなで一宮を盛り上げてゆこうという共同意識がはっきりあります。地域の自尊意識と、全体としての統合を尊重する意識と、配合の妙を得ているといえるのではないでしょうか。安芸高田市も、いずれはそうした遠心力と求心力の絶妙なバランスを確保されることになると思います。石丸市長さんと市民のみなさんのご努力が一日でも早く実を結ぶことをお祈りしたいと思います。