町長日記2018年2月6日(臨時議会を開催と道路整備計画プロジェクトチーム会議)

    今日は、臨時議会が開かれました。議題は、上総一ノ宮駅の東口設営に関する詳細設計費の計上についてです。主に藤乗議員から反対の議論が提出されました。設計費が以前より増額になっていること、将来の負担によるその他事業への支障の可能性、東口開設に伴う町主導の振興プランの欠如などを指摘しておられました。設計費の増額は、千葉県との協議の中でバリアフリー確保の観点が出てきたことによるもの、将来負担は、財政状況全体が変動するものであるなかで、負担感を下げる努力によってその影響を縮小できるものであること、振興プランについては、すでに区画整理が終わって民有地ばかりなので、行政主導のものは難しく、民間の活力に期待することなどを述べました。

 全体として、今回のことに限らず、藤乗議員のご意見の中心部分としては、将来に関する予見をもっと確実にもって政策決定すべきだ、というお話と理解いたします。確かにそれができればよいでしょう。しかし、わたくしは、行政の実態には、変動要因が多く、また主体的努力によって変化しうる部分が多く、かつてのソ連のような計画経済でないわたくしどもの社会では、厳密な予見は不可能であると考えます。ある程度の予見可能性で判断するしかありません。たとえば、今回の東口開設について、総務省の示している健全化判断のための各種指標、たとえば将来負担比率や実質公債費比率など、全く問題は生じないという予測が立っています。それでも事業をやるべきでないか否かということになると、それは判断の相違となるのではないかと思います。

 一方で、東口開設の必要性については、わたくしはあると思っています。現在一宮町への転入が多いことについて、外房線の利便性がその主要因のひとつであることは、自明の理です。この上総一ノ宮駅の利便性を増進することが、今後も一宮町の人口を維持してゆくために必要だとわたくしは考えるわけです。そのためには、東口は重要です。千葉県も、伊達や酔狂で支援を決定してくれたわけではありません。地域振興に役立つという観点から支援の意思表示まで進んでくれたわけです。コンサルに出して東口開設の経済効果を推計することはできますが、それも不必要なレベルで、一定の経済刺激効果が展望されるというべきでしょう。

   そして、上にも記しましたが、大事なことは、経済状況について、本当の意味で透明な予測は不可能事だということです。それが予想できるなら、政府は経済政策で困ることなどありえません。不可知な部分も多い中で、ある程度の指標とデータにもとづいて、常識的なレベルで無理のない判断をしてゆくしか、すべはないのです。100%確実な数字的根拠を持たない限り、投資的政策の実施ができないとすれば、われわれは永遠に一歩を踏み出せないでしょう。

   あとは、結果がすべてを語ります。東口開設が町の発展に資する結果をもたらすか否かが勝負です。もちろん、それを確保するために、わたくしどもは全力で努力をいたします。

   なお、採決の結果は、12対3で、詳細設計費の支出が認められました。これによって、正式に上総一ノ宮駅東口開設の工程にゴーサインが出たということになります。

   午後は、役場内で行われた道路計画の見直しの会議に出席しました。都市計画道路の見直しということで、合理的な次の道路整備の構想を練ってゆくものです。1時間半にわたる議論で、かなりのことがみえてきました。これからの高齢化社会を迎えるにあたって、時代に即した道路整備を行ってゆきたいと思います。