町長日記 4月3日(東浪見こども園入園式とソーラーシェアリング見学)

 本日は、朝東浪見こども園の入園式に伺いました。子供さん方は小さいので、長い話は無用と思い、わたくしの挨拶は短くしました。東浪見こども園は渡辺先生率いる「一粒の麦福祉会」が経営しており、地元で信頼厚いこと、行政と園は緊密に協力して子供さんの健全な保育の確保に努めること、ご両親は子供さんを通じて直接色々と情報が得られるので、何かあったら即時に我々に話して共有させてほしい、といったことを述べました。現場と管理部門との意思の疎通、どういうものであっても、組織運営で一番大事なことは、これにつきます。

挨拶の前後に、チューリップとパンダ・ウサギ・コアラの歌と手遊びを年長組の子供さん方が披露してくれました。それが終わって退出するとき、おひとりのお子さんが、周囲の大人を見まわしながら、「わらうなよ!」と言っていたのには少々驚きました。最初、聞き違いかと思ったのですが、再度「わらうなよ!」と言っておられたので、確かな意思に基づく発話です。わたくしは5歳の時に大人にそんな大胆なことをいうことは到底考えも及ばなかったのですが、これは、目上・目下の感覚に変化があるのかもしれないと、感慨を催した一幕でした。

 

その後、ソーラーシェアリングの実践の見学と、小泉純一郎元首相の講演を聴きに、匝瑳市へ出かけました。これは、城南信用金庫の吉原毅相談役からお誘い頂いた催しです。八日市場の郊外の台地に大規模に展開したソーラーシェアリングの畑は、なかなかの壮観でした。また、八日市場商工会議所の会議室で小泉純一郎氏の講演がありました。小泉元首相は、私も後期高齢者の年齢になったよ、と仰っておられましたが、なおも意気軒昂でおられました。日本は危機をチャンスに変える力を持っており、過去の試練も乗り越えてきた。今回の原発事故は原子力依存からの脱却のニューステージへの脱皮のチャンスだ、と語っておられました。安全・経済的(廉価)・クリーン(二酸化炭素を出さない)という、原発推進派の売り言葉はすべて嘘だった、と言っておられました。そして尾崎行雄氏の言葉を引いて、「人生の生きがいとは未来にあり」と語り、これからの展開をさらに目指してゆくことを述べておられました。

なお、ソーラーシェアリングは、畑の上に、間に隙間のあるソーラーパネルを高目に並べることで、農作物の栽培と発電を兼ねて確保するという魅力的なプランです。長島彬氏とおっしゃる方が発案し、千葉県で実証実験を重ねた結果、現在実用化の段階に入りつつあるものです。植物は、ふつう太陽光を受けて成長しますが、その際、多くの植物には、光飽和点というものがあり、あるレベルから上は、光線量が増えても、光合成は増えず、逆に植物のストレスが高まる、といった事実があります。これにもとづき、畑の上にわざと太陽光パネルを設置し、光飽和点より光線量が上がらないように調節しつつ、パネルで発電し、それを売電収入にしてゆく、というコンセプトです。農産物の収量も維持され、更に売電収入も確保できるということで、一石二鳥のプランです。パネルも一般の太陽光発電のものほど大きくもなく、設営・移動・撤去も容易です。まだ市場での全面的な展開は見せていませんが、わたくしの感触では大変有望な発想だと思います。城南信用金庫では、このプランを有望な代替エネルギー確保の手段ととらえ、宣伝・普及に努めるとともに、金融面でのバックアップ策なども考えているようです。

小泉氏の講演会には、パタゴニアの日本支社長も見えていました。パタゴニアは一宮町にもお店を出しておられます。支社長は、パタゴニアもこのソーラーシェアリングのプロモーションを考え中だとおっしゃっていました。吉原さんと支社長さんは、オリンピックに向けて、一宮町をソーラーシェアリングの町にしたらアピール度も上がるのではないですか、とおっしゃっていました。ハウスや稲作への適用が可能かどうかわかりませんが、わたくしは路地野菜などについては、魅力的な考え方であると感じました。

 

なお、匝瑳市郊外の人気のない路上で、路傍にうずくまっていた柴犬を発見しました。車を止めてみてみると、けがをしているようで、震えていました。動けないようでしたので、恐らく交通事故にあったのでしょう。毛並みはよく、かわいらしい見た目で、首輪はありませんでしたが、野良犬には見えませんでした。自分たちでは保護するのが難しかったので、匝瑳市の住民環境課へ電話をして、保護を要請しました。担当者が現地へ出向いてくれたそうですが、近づいたら逃げて山の中へ入ってしまった、という報告でした。残念です。家に帰って家族に話したら、治療費はわたくしがもつから、何としても捕獲して獣医へ送ってほしい、とお願いすべきだったでしょう、そうすれば網をもっていって確保してくれたでしょう、と責められました。今後はぬかりなく対応することを心がけたいと思います。