町長日記2018年5月28日(長南町公共施設跡地見学と県の保護司会来庁とオリンピックに係る管理職との打合せ)

   今日は、長南町の西小学校跡地の民間貸付の見学にでかけました。わたくしどもの町でも、旧一宮保育所の跡地利用をめぐって、民間から借りたいという意向が寄せられています。まだ明確なプランにまとまってはいませんが、そうした方向性を探るにおいて、参考にすべく長南町の事例を拝見に上がったものです。

 長南町では、子供の数が減少したことを受けて、4つあった小学校をひとつに統合したうえで、小中一貫校として再構築するのだそうです。そこで、空いた小学校の校舎の管理・使用方法などが大きな課題となったそうです。4つの校舎が空いているのだそうですが、そのうち西小学校と東小学校に借り手がついたというお話でした。

 東小学校は、映画やCMのロケなどに使う施設として民間が借り受けて稼動させているそうです。西小学校は、マイナビという求人関係の大手が借りて、研修用の宿泊施設とするということでした。わたくしどもはその西小学校の跡地を見学したわけです。

 現在工事中でしたが、もともとの校舎が結構気の利いた作りになっており、全体として、快適な宿泊施設として再生されつつあるように感じました。マイナビは6000万もの改修費用を投じているということですから、十分な事業採算性をにらんでいることでしょう。都会方面から、林間学校をはじめ、さまざまな活動で宿泊する方々を誘導する構想だと思いますが、確かに場所は林野にかこまれた環境で、喜んでもらえるのではないかとわたくしは感じました。

 話がきてから成約まで随分短かったようです。これは事前に、空き公共施設の管理について委員会を立ち上げ、議論を重ねていたことが前提にあったので、合意とりつけもスムーズにいったということのようです。わたくしどもの町には、現在そうした助走体制がありませんので、これからそのあたりもよく考えなくてはなりません。

 役場で事業についてご説明を下さり、現地見学をお世話いただいた長南町の皆さま、そして見学をお許しいただいた長南町の平野町長に、お礼を申し上げたいと存じます。

    午後、県の保護司会の方がみえました。28年に成立した再犯防止推進法をふまえて、政府は再犯防止推進計画を閣議決定しました。そこで、都道府県及び市町村は、政府の再犯防止推進計画を勘案して、地方再犯防止推進計画を定める努力義務を負うこととなります。そこで、一宮町でも地方再犯防止推進計画の作成に向かってほしい、というご要望を頂いたものです。

 これは、千葉県や他の自治体の動きを踏まえて対応するしかない案件だと思います。ただ、問題は、本当に効果の上がる計画を作って実施でき、効果が感じられるようにできるか否か、だと思います。現在、犯罪者の再犯率は50%に近いそうで、改善は容易でないそうです。3回以上犯罪を重ねる犯罪者の率を伺ったところ、その資料は手元にないというお話でしたが、犯罪そのものの件数は持続的に減少している傍ら、犯罪を犯すものは、すでにある種の「確信犯」的な人たちに収斂してきているということなのかもしれません。だとすると、この人びとを二度と犯罪に走らせないようにするのは、なかなか困難な事業であるとの推測がなされます。町で計画を作るのであれば、そうしたことをよくふまえて、少しでも実効性のあるものを考えるべきであると感じました。

 その後、2年後にオリンピックを迎えるにあたって、組織委員会とは別個に、一宮町が独自に進めるべき課題としてはどういったものが現在存在しているかを考えてもらうため、各課の課長に集まって、意見を出してもらおうとしました。ところが、そうしたフリーディスカッションのようなものは、役場では慣れていないらしく、職員諸君からは会議の趣旨そのものがわかりにくい、との意見が出ました。

 実は、暫く前にいすみ市の小路県議から、オリンピックに関連して、当面地元が対応すべき課題を列挙したメモを頂いていたので、それを参考に配ったのです。またそれを踏まえて、わたくしもいくつかの個別的事例を提示したのです。そうした意味では、なにが求められているかは理解してもらえたはずだとは思います。ただ、各課の課長はほぼ黙して語らずでありました。

 幸い、後日提出してもらった各課の意見書には、相当に詳細な意見を記してくれましたので、趣旨は最終的にはよく理解されていた、と安心した次第ですが、できれば会合の場でも、もっと自由にものを言うようにしてくれるとありがたいと思います。